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以前のコラムで述べました「民泊」について、続報です。
少し前までは、一般的にはそれほど知名度の無かった民泊ですが、最近になり、無許可での運営の摘発や、近隣からの苦情などが、ニュースでも多く取り上げられております。
今や多くの方が一度は耳にした事のある「民泊」ですが、様々な問題が山積しているにも関わらず、はっきりとした制度や法の整備が行われていないのが現状です。
現時点では、外国人観光客を居室に泊める民泊行為は、国家戦略特区に認定される一部の地域下か簡易宿泊所施設で行うなど、一定の要件を満たさなければ実施することは出来ません。
しかしながら、ある調査によると、東京都新宿区内で行われている民泊の、約8割が無許可の疑いがあるとの結果が出ております。
これほどまでに無許可の民泊が多い背景には、運営者の匿名性が非常に高い事が挙げられます。
民泊を運営する際、ほとんどの運営者は、Airbnbという民泊仲介サイトを介して、宿泊客の募集や、やり取りを行っております。
こちらのAirbnbというサイトですが、サイト上ではハンドルネームなどの仮名を使って利用ができ、本人確認についても細やかな規定が無い為、行政が個人の特定を行うのが困難となっています。
このような実態を改善する為、
新法制定に向け、6月20日に政府の有識者会議が開かれました。
その中でまとめられた、民泊に関する制度設計案では、以下の内容が打ち出されています。
(住宅提供者)
・行政庁への届出が必要
・利用者名簿・旅券の写しを保存する
・宿泊者1人あたり3.3平米以上のスペースを確保する
・住居についての法令、契約、管理規約に違反しない
・匿名性を排除する
・無登録の仲介事業者を利用しない
(代行業者)
・行政庁への登録が必要
・最低限度の衛生管理措置や苦情への対応を行う
・住宅の見やすい場所へ標識を掲示する
(仲介サイト)
・行政庁への登録が必要
・取引条件の説明や民泊である事を明確に示す
・違法な民泊物件を掲載していた場合、業務停止命令等の罰則有り
これらの新法の骨格が取りまとめられた中、最大の焦点である、年間の営業日数の上限については、180日以下の範囲で決定するとしながらも明確な上限は未だ決まっておりません。
様々な問題が山積している民泊制度ではございますが、賃貸物件の管理を行う中で、何らかの形で民泊に関わる事も予想されますので、引き続き、今後の動向に注目して参りたいと思います。
新たな動きなどがございましたら、こちらのコラムにてご紹介させて頂きます。