2016年2月3日

【建物の修繕】  長期修繕計画の必要性

スタッフコラム(木戸)

この記事は 1分49秒 程で読んで頂けます。

マンションやビルは耐久性の高い建造物ですが、経年による劣化は避けられません。
劣化を放置しておくと、美観が損なわれるだけではなく、耐用年数の低下等が起こり、資産価値の低下にもつながります。

 

収益不動産は一般的に初期投資となる取得価格ばかりに関心が集まりがちですが、保有し続けるにあたって水面下に隠れている修繕運営費も見込んでおくことが大切です。

 

ではどの程度の修繕費をどの時点で見込んでいればいいのかということになりますが、確立された方法は無いのですが、一般的に分譲マンションでの修繕積立金算出の基礎になる長期修繕計画案は、BELCA(社団法人建築・設備維持保全推進協会)の編集により作成した「建築物のライフサイクルデータ集」のデータを基礎として、防水工事・外装工事・共用部・住居設備・給排水設備・消防設備・避雷針・電気設備・昇降機・ガス・その他設備・定期報告の該当する修繕項目に分けて、更に防水工事であれば屋上防水・シーリング工事等に細分化していきます。

ac2abce4f4c8381eba993937c2db82a0_s

 

細分化したそれぞれの項目に、データに基づき更新や破損周期・発生率・施工難易度係数を新築時工事価格に乗じていき、1年目~40年目までのどの時点でいくらの修繕費が見込まれるかを表にしていきます。

その累計修繕費を年で割り戻した費用が年間の修繕積立金となります。

 

マンションの設備内容やグレード、構造によって違うのですが、10年目で防水補修、住居エアコン、換気扇、自火報装置などの比較的軽めの修繕が必要になり、20年目に外装関係、給湯器、給排水関係、オートロック設備、住居内設備などの大きな修繕・更新が必要となります。

 

築20年を経過している物件は、目に見える外装等の修繕だけではなく、細かな設備関係の修繕・更新状況を確認することが大切です。