2019年12月25日

民法改正により設備故障で賃料減額になる

スタッフコラム(吉機)

この記事は 2分56秒 程で読んで頂けます。

大変お世話になります。

プロパティマネジメント事業部の吉機(よしき)です。

今回は「民法改正により設備故障で賃料減額になる」についてお話させて頂きます。

皆様、既にご存知かとは思いますが2020年4月に民法が改正される事が決まっており、賃貸借契約において多くのルールが変更になると言われております。

その中でも今回は表題の賃料減額のルールについて書かせて頂きます。

賃料改正によりどのような形で賃料が減額になるのか賃料改正について記載がある民法611条を下記に記載します。

第611条

1.賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる

2.前項の場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる

改正第611条

1.賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される

2.賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる

上記の事から、これまでは「賃料の減額を請求できる」という借主からの申入れについてのみ定められていましたが、民法改正後では借主の責任ではない設備故障・破損があれば貸主は「賃料減額が当たり前」ということになります。

また、改正前は、「滅失したとき」だけだったのが、改正後は「滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合」に改正され減額する範囲が広がっております。

ちなみに賃料の減額について民法上では具体的な金額の記載はされておらず、貸主・借主での事前の取決めや、相談により決定する事が予想されます。

予想される賃料減額の状況

●トイレが使用出来ない

●お湯が出ない(給湯器の故障)

●排水管が詰まり水が流れない

●エアコンが作動しない

●電気が使えない

●ガスが使えない

●漏水によるお部屋の利用制限

上記はあくまで一部の例ですが、借主の責任ではないと判断された場合は基本的に「賃料減額」対応となります。

このような減額請求を起こらなくする為には、貸主・管理会社はトラブルが起こった際は早急に対応する事が大切です。

速やかな対応を日頃より心がければ、借主との信頼関係も生まれ、むやみに賃料減額請求までは起こらないかと考えます。

また日常的なメンテナンスを行うことも大事で、入居前には設備の動作確認を行う等、入念なチェックをする必要があります。

改正民法は2020年4月1日から施工となりますのでしっかりと内容を把握し対策をする事が重要です。

今回は以上となります。

最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。