2013年10月2日

【賃貸住宅 設備・募集条件の需給バランス -大阪市西部エリア-】  需給バランスから見る空室対策とは

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賃貸住宅のアパート・マンション別に設備及び募集条件の需給バランスについてアンケート実施の結果をお知らせします。

 
大阪市西部エリアは淀川・西淀川・此花・港・大正・西成・住之江・住吉区を指します。

 

供給過剰として目立ったのは、アパートの募集条件である「敷金0円」のバランスです。

供給が80%超に対し、問合せは60%未満と、20%以上の大幅な供給過剰となっています。数年前までの様に「敷金0円」が特別有効な空室対策とは言えない状況になってきています。

 

一方、「二人入居可」は、アパート掲載物件中20%にすぎませんが、問合せは60%近くとなり、供給不足がうかがえます。

マンションでも供給が30%程度に対し、問合せは40%超と供給不足になっています。

 
設備面では、アパートは比較的築年数が古い物件が多いという事もあり、水周り、ネット環境、内装、セキュリティ等、多くの条件で求められる設備を満たしていない事がわかります。

 

 

<アパート設備>

  供給 需要 供給不足割合
 システムキッチン 約25% 約65% 約40%
 フローリング 約50% 約90% 約40%
 室内洗濯機置場 約50% 約90% 約40%
 シャンプードレッサー 約25% 約60% 約35%
 ウォシュレット 約25% 約60% 約35%
 追い焚き 約20% 約50% 約30%
 駐輪場 約50% 約80% 約30%
 BSアンテナ 約30% 約55% 約25%
 光ファイバー 約30% 約55% 約25%

 

 

<マンション設備>

  供給 需要 供給不足割合
 システムキッチン 約30% 約45% 約15%
 シャンプードレッサー 約25% 約35% 約10%
 ウォシュレット 約25% 約35% 約10%
 TVドアホン 約25% 約35% 約10%
 バイク置場 約25% 約35% 約10%
 駐輪場 約75% 約85% 約10%

 

一方、マンションでは供給不足の条件はあるものの、不足の割合はアパートに比べ低く、各設備において大幅な供給不足は見られませんでした。
ただ、駐輪場を求めている割合は85%を超えている事が特徴的です。
設備の供給不足割合が10%を超えるものは以下の通りです。

 

以上の結果から、マンションでは多少の供給不足がありながらも、ある程度需給バランスがとれているものの、アパートは需給バランスが崩れているようです。
特に設備面で満足していない結果が出ており、「マンションではなくアパートだからこの程度の設備で満足だ」と入居者は考えていないようです。今後はより一層賃料の低いアパートであっても、充実した設備が求められる事になりそうです。

 

初期費用を下げる事でリーシングが楽になり、高稼働を維持できていた物件でも、今後は設備の充実を求められ、上記のような調査結果に基づいた設備投資で近隣競合物件との差別化を図ることが空室対策に繋がるのではないでしょうか。

 

参考 : 全国賃貸住宅新聞 2013年9月23日号