2017年1月7日

【賃貸住宅】  入居者が改善したい性能と退去リスク 傾向と対策

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仮に家賃が一定だとする場合、賃貸住宅入居者は住居のどの部分を優先的に改善したいか調査が行われました。
調査を行ったのはリクルート住まいカンパニーです。

 
現在入居済のお部屋で最も改善したい性能は、遮音性能、次に断熱性能、室内の安全性能の順となりました。
その他、最新の設備や内装のリフレッシュなどが挙げられました。
少数ですが、改善したいことはないという意見もありました。

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一方、入居前の部屋探しの際には、間取りや設備、最寄駅からの距離等見てすぐ分かることが重視されます。
遮音性能や断熱性能は内覧だけでは判断がしづらく、居住満足度に影響するため退去促進に繋がる原因となります。
この調査の中で、特に遮音性能と断熱性能は改善したい性能の中でも、圧倒的に不満が多く見られました。

 

 

 
今回は断熱性が原因の住居トラブルについて取り上げたいと思います。

 

 
同じくリクルート住まいカンパニーの調べより、「断熱性が原因の住居トラブル 発生確率と退去リスクの相関関係」の調査結果が出ています。
退去リスクが最も高く、20%超えたのは「黒カビの発生」でした。発生確率も40%を超えるので、賃貸管理をする上でかなり注意が必要でしょう。

 

次に発生確率が高いのは、「結露の発生」です。「黒カビ」より高い50%を超えます。
退去リスクは20%を下回りますが、結露の発生を防ぐための清掃や対策を怠ると黒カビに繋がり、やはり退去リスクが高まることになります。

 

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その他、室温に関するトラブルが挙げられています。
「隙間風の侵入」「冷暖房のききが悪い」「窓からの日差しによる熱気の侵入」「窓からの冷気が侵入」「床が冷たすぎる」と、すべての項目において発生確率が40%以下、退去リスクが20%以下にはなりますが、トラブルの数が多いことがうかがえます。

 

 

全体の9割弱が、賃貸住宅は分譲住宅に比べて断熱性が低いと回答している結果も出ています。
断熱性による室温のトラブルは、住み始めてみてからでないと実感できないものであり、管理会社にクレームとして届くケースが少ないです。
そのためオーナーや管理会社が気づかないうちに退去に至ることがあります。

 

 

断熱性のチェックを行い、窓やドア、エアコンの取り換えや断熱グッズの提供等、退去リスクの軽減対策を行って長期入居に繋げることをおすすめします。

 

 

参考資料:リクルート住まいカンパニー 2016年5、6月 賃貸検討者調査