2016年1月6日

【賃貸物件】  原状回復義務の範囲と注意点

スタッフコラム(豊田)

この記事は 2分37秒 程で読んで頂けます。

「賃貸物件の原状回復義務」について入居者側の視点でお話ししたいと思います。

 

賃貸物件に入居される際、内装や設備の状態の確認を十分に行っていますか?

 

自分がつけたものではない傷や汚れ、すでに壊れていた設備等を確認し、賃貸人に報告する必要があります。

「クロスが一部剥がれていたけど、家具を置いたら隠れる部分だったから報告しなかった」

「キッチンの換気扇が壊れていたけど、キッチンを使用しないので報告しなかった」等

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入居時に気づいていたのに報告しなかった場合や、きちんと確認せず、入居してからの日数経過してしまい、そのまま報告を怠った場合、退去時に修理費用を請求されるケースがあります。

入居時に報告を怠った場合には、入居者が破損させたものと捉えられるためです。
入居者には「原状回復義務」があります。
「原状回復義務」といっても全てを入居時に戻す必要はなく、一般的には経年劣化や自然摩耗によるものは入居者の費用負担はないとされています。

 

例えば
・テレビや冷蔵庫を置いてできたクロスの電気焼け
・壁紙の日焼け
・家具を置いたことによる畳やCFのへこみ
等です。
逆に入居者が費用負担となるケースは
・使用後の手入れが悪く、すすや油が付着しているキッチンの汚れ
・家具の移動等でできたフローリングや壁の損傷
・飲み物等をこぼしたことによるフローリングのシミ・カビ

内装や設備の扱い方が著しく悪く、手入れがされていないと判断された場合が多いようです。

 

しかし
・たばこのヤニによるクロスの変色
・画鋲やねじによる壁の穴開け
等、ケースバイケースと判断されるものもあります。

 

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したがって「原状回復義務」の範囲であるか否かは、一概には言えず、借主と貸主が契約時に意思確認を行うことが重要でしょう。

「たばこのヤニによるクロスの変色は借主負担とする」や「火災予防のため石油ストーブの使用を禁止する」等具体的な「特約」として「原状回復義務」の範囲を定めるケースも多く見受けられます。
どちらが修繕費用を負担するかで金銭トラブルになることも少なくありません。
貸主・借主双方の確認を行うことで、トラブルを未然に防げる可能性が高くなります。
入居時に写真を撮って貸主と確認を行うというのも一つの方法です。

 

また、こまめに清掃を心がけることで室内の状態を良好に保つことができます。
退去する際に借主・貸主双方が気持ち良く終われるようにできればベストだと思います。

 

国土交通省「原状回復義務をめぐるトラブルとガイドライン」