2012年11月7日

【サブリース契約】  メリットと注意点

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サブリースとは
賃貸物件を一棟または一戸単位で一括賃借し、借り上げた不動産会社が貸主となって第三者の入居者に転貸する事業形態を表します。

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サブリース契約をするメリットは

 
○安定した家賃収入
空室の有無にかかわらず毎月一定の賃料をオーナーに保証するので、定額の賃料収入を得ることができます。

ただし保証される金額は、家賃の7~8割が相場といわれています。そして保証額を差し引いたものがサブリース会社の収入となります。

 

賃料満額ではないものの、賃貸住宅の空室が目立つ昨今、空室対策に頭を悩ませることがなくなります。

このように安定した家賃収入を得ることができると、ローン返済や経営の見通しが立てやすくなりますし、不動産投資におけるリスクを軽減することができます。

 

○専門家による管理
賃貸経営につきものの様々な入居者トラブルもサブリース会社が対応することになりますので、時間や経験がなく将来的にも直接経営を考えていないオーナーに需要があります。
また、物件が遠方にあり目が行き届かない等の場合にも活用できますね。

 

このように安定した賃貸経営をもたらす一方、留意すべき点もあります。

 

●貸主はオーナーではなくサブリース会社
サブリース契約を締結すると、貸主はオーナーからサブリース会社に変更されます。

 
つまり、賃貸経営の決定権がサブリース会社に移るということであり、オーナーの意向とは異なる決定がなされる場合があるということです。

 
例えば空室対策のため、オーナーの意向とは異なる外国人の入居者を受け入れ、生活習慣の違う他の入居者とトラブルになるケースが想定されます。
このような事態が起これば優良な入居者の退去につながる恐れがあります。その他、空室対策として賃料の引き下げを行い、将来的にサブリース契約を解約した際に賃料収入が大幅に下がる恐れもあります。

 

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●契約内容の確認
「○年保証」というキャッチコピーを目にすることがありますが、これは「○年」という期間の間、最初に契約した金額を保証するというものではありません。
賃貸住宅は築年数が経過するにつれ収益力が低下します。

当然サブリース会社が、長期間にわたり当初の家賃を保証することは難しく、一般的には2年程度で「保証額の見直し」の上で、契約を更新する事になります。

仮に長期間一定額の保証のサブリース契約をするのであれば、あらかじめかなり低く設定された保証額を契約することになるでしょう。

 

また、サブリース会社選びも重要なポイントです。

 

2008年のリーマンショックの影響で、多くの不動産会社が倒産や危機的状況に陥ったため、サブリース会社が保証額の支払いを遅延したり未払いのケースがあちこちで起こりました。

また、一方的にサブリース賃料の減額を通知したり、減額を呑めなければ契約を解除され、空室だらけの物件を突然引き渡されるなどで、トラブルになるケースも多数発生しました。

 

優良なサブリース会社選びのポイントは
★ 会社の規模や売り上げ、社会的な信用
★ 賃貸経営の実績
★ 財務内容
★ 業務内容(サブリース専門業者か否か)
★ 会社としてどのような開発事業を行っているか(リーマンショックの際に危機的状況に陥った不動産会社の多くが開発事業に 積極的だったため一気に資金繰りに窮しました)など、沢山の項目をチェックする必要があります。

 

オーナーに安定した賃貸経営をもたらすサブリースですが、メリット・デメリットをしっかり理解した上で活用できれば心強い味方になるのではないでしょうか。