2012年7月11日

【賃貸マンション 設備】  防犯に対する家主と入居者の義務とは

スタッフコラム(豊田)

この記事は 2分19秒 程で読んで頂けます。

まずは私が実際に遭った空き巣被害について

物件は
・単身者用マンション
・新築
・2階部分
・バルコニーに面するのは戸建住居の裏口
・バルコニー側は道路がなく、人通りがない
・周辺は戸建や単身者用マンションが立ち並ぶ住宅街

侵入ルートはバルコニー前にある給水塔を登り、2階バルコニーへ移るというものでした。

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警察の現場検証によると、給水塔から建物まで手の届くほど近い距離であることは防犯上の設計ミスとのことでした。その上バルコニー側は人通りがなく、日中は留守が多い単身者用マンションということが重なり人目につかないという、空き巣には好条件が揃っていました。

その後防犯対策として、家主負担でバルコニー手すりの上に格子を取り付け、侵入できないようにしました。

 

今回のケースによる、入居者と家主のミスとは何だったのでしょう?

私は実家を出て初めての一人暮らしでしたので、マンション選びの際、防犯のために下記をチェックしました。

一般的に”女性の一人暮らしで求められる条件”と言われる4点
・オートロック
・防犯カメラ
・2階以上
・通勤の経路

さらに
・地域性
・厳しい入居審査
念入りにチェックし上記ポイントをクリアしましたが、バルコニー側の空き巣侵入ルートや人通りのチェックに落ち度がありました。

一方、家主側に落ち度はあるのでしょうか?

 

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過去に判例はありませんが、入居者が家主へ損害賠償を請求できる権利が生じます。家主には、家賃という対価を得ている以上、”入居者が安全快適に生活できるようにする義務(使用収益させる義務)”があるためです。

警察が防犯上の設計ミスと指摘したことから、賠償請求されるかもしれません。

その他ピッキングによる鍵故障や割られた窓ガラスは”修繕義務”により、入居者が家主へ費用を請求できる権利が生じます。やはり判例としてはありませんが、請求されたケースはあるようです。

また今回のケースでは、入居者が幸い留守中で窃盗被害のみで済みましたが、殺人が起こることも考えられます。そうなると、事故物件に成り得るのです。

このように入居者が高い防犯意識を持つことはもちろん重要ですが、家主側にも入居者が安全快適に生活できるようにする義務を守り、リスクが生じるケースがあることを意識することが重要だと思います。