2019年10月2日

エレベ-タ

スタッフコラム(中瀬)

この記事は 4分15秒 程で読んで頂けます。

いつもお世話になっております。

響不動産リサーチ株式会社 プロパティマネジメント事業部の中瀬です。

今回は、エレベーターについてのコラムとさせて頂きます。

現在物件を保有されているオーナー様の中には、エレベーターのある物件をお持ちの方も多いかと存じます。

お部屋を探される方の中には、エレベーターのある物件に絞って検討されている方もおられる程ですので、入居者付けに大きく影響を与える設備とも言えます。そのような設備であるエレベーターですが、保有するにあたり、年1回の法定点検が義務付けられています。

建築基準法12条3項により、有資格者による定期検査を行い、検査結果を特定行政庁に報告する必要があるのです。

こちらを遵守しているエレベーターについては、かご内に検査済証のステッカーが貼っており、きちんとした検査を受けているエレベーターである事を入居している方が容易に分かるようになっています。このような定期検査や日々のメンテナンス業務は、通常エレベーター保守管理会社に委託している事と思われます。

 

エレベーター保守管理の会社は、

①メーカー系列の会社

②独立系の会社

上記の2つに大別されます。

それぞれの特徴につきましては、

①メーカー系列の会社
エレベーターを製造しているメーカー系の会社の為、基本的に自社系列で製造したエレベーターのみの保守管理を行っています。
その為、自社エレベーターについての知識が深く、修理やメンテナンスに使用する部品もメーカーの純正品となりますので、ブランド力もあり、技術・部品ともに質が安定していると言えます。

②独立系の会社
エレベーターの製造は行っておらず、基本的には保守管理のみを行う会社となります。
特定のメーカーのエレベーターのみを管理するのではなく、様々なメーカーのエレベーターを管理している会社がほとんどです。

 

部品につきましても、メーカーからの部品供給が受けられるので、純正品を使用する事も出来ますし、汎用品を使用する事もあります。

また、メーカー系列の会社に比べると、月々の保守管理費用が安いといった特徴が挙げられます。

また、保守管理契約についても大別すると以下の2種類が有ります。

 

①フルメンテナンス契約
定期的な機器・装置の保守・点検を行うことに加え、点検結果に基づく合理的な判断のもと、劣化した部品の取替えや修理等を行う契約方式。

※全ての修理が定額費用に含まれる訳ではありません。

②POG契約
「Parts(パーツ)・Oil(オイル)・Grease(グリス)」の略で、定期的な機器・装置の保守・点検のみを行う契約方式で、劣化した部品の取替えや修理等を含まないもの。

フルメンテナンス契約とPOG契約を比べると、毎月の保守管理費用としては、劣化部品の交換代等を含んでいる分、フルメンテナンス契約の方が高額になりますが、物件の状態などによって、どちらの契約が最適かは変わってきます。

一般的に、新築・築浅のマンションや、総戸数が少なく使用頻度の低いマンションについては、劣化による故障の発生が少ない為、支出の面からPOG契約が適していると言われており、エレベーター新設から10年を経過しているマンションについては、劣化による交換部品などが年々増加していく可能性が高くなる為、フルメンテナンス契約が適していると言われております。

別の面から検討を行う場合、フルメンテナンス契約であれば、月々の費用は高額になりますが、突発的な修理費などが必要になる事は少ない為、物件を保有・運営していく上で、年単位での予算が立てやすいといったメリットもあります。

一方POG契約の場合には、ある程度築年数の経っている物件では、交換する部品によっては高額な修理費を突然支払わなければならないリスクもありますので、その様な場合に備えて長期的な修繕計画を立て、費用を積み立てておく必要があります。

また、保守管理会社によっては、フルメンテナンス契約とPOG契約の中間の契約などもありますので、物件購入時などに保守管理契約を引き継ぐ際には、注意が必要です。

現在エレベーターのある物件を所有されているオーナー様におかれましては、ご自身の所有する物件の状態や、月々のランニング費用・将来的な支出を鑑み、保守管理会社の変更や契約形態の変更など、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

 

今回のコラムは以上とさせて頂きます。
最後までお読み頂き、有難うございました。