2019年10月9日

取得から5年経過後の投資効率の変化

スタッフコラム(木戸)

この記事は 3分51秒 程で読んで頂けます。

いつも大変お世話になっております。
今回は私「木戸」が担当させていただきます。
 
 
お題は「取得から5年経過後の投資効率の変化」についてとさせて頂きます。
 
 
下記の条件で物件を取得したとします。
 
 
〇物件情報
 
取得時期 : 2014年10月
 
築年数 : 1993年10月築(築後21年経過)
 
構造 : RC造
 
物件価格 : 100,000,000円
 
取得諸経費 : 6,000,000円
 
満室想定年収 : 10,000,000円
 
営業純収益(NOI) : 7,000,000円
 
 
○ファイナンス条件
 
借入金額 : 100,000,000円
 
自己資金 : 6,000,000円
 
融資期間 : 25年
 
金利 : 1.5%
 
年間返済額(ADS) : 4,800,000円
 
 
○投資指標
 
NOI利回り : 7%
 
返済後税引前手残り(BTCF) : 2,200,000円
 
LTV(物件金額の借入比率) : 100%
 
K%(ローン定数) : 4.8% 計算式【ADS÷ローン残債】
 
CCR(自己資本の利回り) : 36.6%  計算式【BTCF÷自己資金】
 
DCR(返済余裕率) : 1.46  計算式【NOI÷ADS】
 

 
そして、取得から5年経過後の投資効率の変化は下記の通りです。
 
※物件が売却出来る金額(時価)を100,000,000円と想定する
※賃料下落は考慮しない
 
 

 
●物件情報
 
5年経過時期 : 2019年10月4日
 
築年数 : 1993年10月築(築後26年経過)
 
物件時価 : 100,000,000円
 
満室想定年収 : 10,000,000円
 
営業純収益(NOI) : 7,000,000円
 
 
●ファイナンス条件
 
残債額 : 82,880,000円
 
自己資本 : 23,120,000円(取得時自己資金+5年間の元金返済分)
 
残融資期間 : 20年
 
金利 : 1.5%
 
年間返済額(ADS) : 4,800,000円
 
 
●投資指標
 
NOI利回り : 7%
 
返済後税引前手残り(BTCF) : 2,200,000円
 
K%(ローン定数) : 5.79%  計算式【ADS÷ローン残債】
 
CCR(自己資本の利回り) : 9.51%  計算式【BTCF÷自己資本】
 
DCR(返済余裕率) : 1.46  計算式【NOI÷ADS】
 
 
取得時と5年経過後の投資指標の着目点はCCRです。
 
取得時のCCRは36.6%、5年経過後のCCRは9.51%となっております。
 
なぜ、5年経過後のCCRが低下しているのかというと、自己資本が返済が進んだ分6,000,000円から23,120,000円に増加しているからです。
 
分かりやすく言うと、物件取得時は税引前のキャッシュフロー2,200,000円を得るために自己資本6,000,000円を投資したが、5年後は同じ税引前のキャッシュフロー2,200,000円を得るために自己資本23,120,000円を投下している状況に変化しているという事です。
 
年間返済額に変化は無いので、キャッシュフローに変わりはありませんが、内部的には投資効率が変化しています。
 
投資効率の変化をモニタリングして、担保余力を利用して次物件の取得をしたり、売却をして(税引後の手残りと保有時の税引き後のCF・利回り等を比較して検証が必要です)再投資したり色々な対策を検討するために、取得時だけではなく保有している状況においても定期的な投資検証を行うことをおすすめ致します。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後も皆様に有意義な情報をご提供出来るように努めますので、宜しくお願い致します。