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先日、瑕疵物件いわゆる事故物件を購入した住人にインタビューをしているテレビ番組を観ました。
物件はアメリカにあり、母親が5人の子供を浴室で殺害するという事件が起こりました。その事件が起きてから間もなくして、相場より200万円安い1,200万円で買い手がつきました。購入したのは76歳の男性で、事件のことを承知の上、3LDKの戸建に家具もそのままの状態で暮らしていました。
その男性は、スイスで500年ほど前に建てられた家で生まれ育ったため、「500年も経てばその家でも何か事件が起きていたかもしれないが気にせず住んでいたので、今回の事件の事も気にしていない」と話していました。さらに「家を売りに出した主人は、買い手がついたことで少し肩の荷が下りたのではないか、こちらも安く購入できたのでお互いの利益になった」とも話していました。
そこで事故物件が疎まれる日本の事情とは違う海外の住宅事情に注目しました。
日本・アメリカ・イギリスでは住宅の耐用年数に大きく開きがあります。
国土交通省の調査によると、国別の住宅平均寿命は
アメリカ 44年
イギリス 75年
日本 26年
日本の平均寿命26年の詳細では、一番築浅で築4年以内、もっとも古い家で築90年以上となっていますが、ボリュームゾーンは、平均に近い築30~34年の23.0%、それに築25~29年の22.9%が続きます。そして、なんと54.8%の人が、40年未満の家を取り壊しています。
なぜ日本の平均寿命は短いのでしょうか?
理由は
・安く・早くという採算性重視
・家へのこだわり、愛着の低下
・新築本位主義
等様々な理由が挙げられます。
ですが、政府より住宅の長寿命化を実現するための提言が行われたり、各住宅メーカーが耐用年数の長い住宅建築を商品として売り出したりと、状況が変化しているようです。
というものの、実現には耐久性や可変性を高めることや、点検・修繕を繰り返していくことと住まい手が住宅を受け継いでいく意識の改革が必要だと言われています。
これには時間が随分かかるものだと思いますが、耐用年数が長くなることで、事故物件に住むことに対する日本人の意識が変わっていくのではないかと思いました。
耐用年数や住宅対する考えが日本と欧米では違い、現況が変化していることについて知っていただき、皆さんの収益不動産の投資や物件管理に少しでもお力添えできる機会が訪れれば幸いです。