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賃貸マンションを経営されているオーナー様にとって入居者の家賃滞納は頭を悩ませる問題の一つですがその滞納の問題の解決につながる一助になるかもしれない制度が昨年4月に施行されております。
「生活困窮者の支援制度」
※家賃補助の支給、貸付等には一定の要件が御座います。
この制度があまり認知されておらず、利用が進んでいないという事です。
全国賃貸住宅新聞にこんな記事が出ていたのでご紹介させて頂きます。
<生活困窮者自立支援制度とは>
生活困窮者自立支援制度とは、生活保護に至っていない困窮者に対するセーフティーネットとして自立を支援するものだ。
最大9カ月分の家賃を補助するほか、就労訓練や情報提供といった自立支援計画の作成を行う。
また、各自治体の任意事業として、就労訓練の実施や、宿泊所・衣食住の提供、家計管理指導や貸し付けのあっせんや子供への学習支援も行う。
住宅確保給付金の費用は国が4分の3、残りを各自治体が負担する。
制度全体の予算について、平成27年度は約500億円を計上していた。
困窮者への家賃補助 利用進まず
昨年4月に施行された生活困窮者自立支援制度を使い、家賃1カ月相当の給付金を支払った件数が、1年間の全国累計で7803件にとどまっていることが分かった。
制度の利用が進んでいないことから、厚生労働省は民間企業との連携を強め、家主にも協力を呼びかけていく。
管理会社も知らず、認知拡大が急務
厚労省の実施調査によると、住宅確保給付金の支給件数は昨年度7803件となり、見込みを大きく下回った。
最も利用が多かった都道府県は東京都の1066件、市区町村では福岡県北九州市の256件だった。
補助金を受け取ることができるのは、離職して2年以内で一定の収入・資産を有していない65歳未満の人だ。
支給額は地域や世帯人数によって異なるが、東京都1級地で単身世帯の場合、月額5万3700円が上限となる。期間は最長9カ月だ。
申請から受け取りまでの期間は数週間程度で、書類審査が行われる。
全国の市区町村が窓口となる。
相談に訪れるのは40代が四分の一で、次いで50代、60代となっている。
急な離職や老老介護による収入不安に関する相談が多いという。
想定に対して相談件数そのものが少ないことから、厚労省は民間企業に対し協力を求めている。中でも、賃貸住宅業界の協力に期待しているようだ。
家賃は光熱費に比べて金額が高いため、滞納実績から困窮者を発見する確率が高いからだ。だが、今のところ管理会社の認知度は低い。
本紙が北九州市・大阪市の大手管理会社10社に取材したところ、「社内全体で制度を認知している」という企業は一社もなかった。
「制度の認知が進んでいないと感じている。制度を広く知ってもらい、困窮者の早期支援を図りたい」(厚労省生活困窮者自立支援室・渡邊由美子室長補佐)
リクルートフォレントインシュア 顧客に案内昨秋から一カ月以上の滞納者に家賃債務保証のリクルートフォレントインシュア(東京都港区)は昨秋から、1カ月間家賃を滞納した顧客を中心に、家賃補助制度を案内している。
「これまで滞納した顧客に対する解決策が督促しかなかった。
この制度を使うことで滞納を解消するだけでなく、本来我々が目指している滞納者の自立支援にもつながると考えている」(豊田茂取締役)
もはや滞納のリスクヘッジには家賃保証会社に保証委託することがオーナー業では主流となっておりますが、中古収益物件を取得した際保証会社に加入していない入居者がいることは珍しくありません。
既存の入居者に対して保証を新たにしてくれる保証会社は珍しいです。(存在はしますが、いろいろな制約が発生する場合が多いです)
悪質な滞納者は論外で、すぐさま退去してもらうべきですが、これまではしっかり払っていてくれていて、現状を打破しようと必死に再就職活動等の動きをしている事が見て取れる方もおられるかと思います。
ドライに一方的に退去させることは、可能ですが交渉などはそれなりに精神的、実務的なストレスがかかります。
退去させられるとなると、入居者は身構え、交渉ももつれがちですがこの制度を紹介するなど協力的に接してあげる事が出来ることで、解決した際は、長期の入居につながったり事態が好転するのではないでしょうか。(補助の受給、貸付け等には一定の要件が御座います)
また、支給の要件から漏れてしまったとしても協力的に接したことで、その後の交渉がスムーズに進むこともあるかと思います。
※詳しくは、該当する市区町村窓口までお問い合わせくださいませ。