2013年10月9日

【不動産売買】  売買時の賃料滞納の処理

スタッフコラム(木戸)

この記事は 2分26秒 程で読んで頂けます。

収益物件を売買するにあたって、入居者の賃料滞納が発生している場合が多々あります。
月跨ぎ程度の滞納でしたら、大きな問題にはならないのですが、1カ月以上の滞納者がいる場合には売主・買主間の賃料精算にて協議を要する場合があります。

 

①賃料の滞納を知る
賃料の滞納は告知義務を規定する宅建業法47条1号
「相手方の判断に重要な影響を及ぼすこととなるもの」に該当しますので、売買時に宅建業者が絡んでいて、賃料滞納が発生している場合には必ず知りうる情報となります。

 

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②賃料債権について
売買時の賃料債権については、売主が物件を売却するまでの賃料債権は当然に買主へ引き継がれるものではございません。決済時に決済月の滞納賃料の日割精算を行う場合は、売主が債権を保有しているので、売主が滞納者から滞納賃料を回収する必要があります。

 

③決済月の翌月分賃料まで決済時に精算する場合
月の後半に決済を行う場合良く使われる精算方法として、翌月分の賃料まで決済時に売主・買主間で精算する場合があります。
これは入居者へ賃料振込先の変更や所有者変更の通知を周知する期間の問題です。売主の希望によっては、翌月分賃料は自分の所有している時期の賃料では無いので、入居者からの賃料送金が確認出来てから精算を行う場合もございます。
しかしこの場合は、滞納がある場合には誰が督促・回収作業を行うのか取り決めが必要ですので一般的には、決済時に翌月分まで精算する方法が多いです。

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④売主に賃料債権放棄を依頼する場合
決済時に賃料滞納が発生している場合、売主は賃料債権を保有していて、買主は自己の所有になった日からの賃料を請求して同一の入居者から賃料の取り合いが行われる事があります。
そういった事を回避する為に、引渡日から一定の期限を設けて期限を過ぎた場合には売主の賃料債権を放棄してもらう取り決めをする場合があります。

 

⑤敷金と賃料滞納との関係
入居者への返還敷金は、当然に売主から買主へ引き継がれるものです。
決済時に賃料滞納が発生している場合は、滞納賃料と入居者からの預かり敷金を相殺して、残返還敷金額を買主へ引き継ぐ事となります。
また、買主は入居者へ敷金の補充を請求出来ます。

滞納が無い綺麗な状態で売買を行うのが一番理想ではございますが、物件によっては多くの滞納が発生している場合が多々ありますので、ある程度検討が進んだ段階で早めに確認する事をお勧め致します。