この記事は 2分8秒 程で読んで頂けます。
平成26年11月27日に交付され、平成27年2月26日から一部施行されていた「空家等対策の推進に関する特別措置法」が、平成27年5月26より全面施行されました。この法律により、「空家等の所有者・管理者は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、適切に管理すること」が努力義務とされます。
「空家等」とは、建築物又はこれに付属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。と定義されています。
その中で、「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」「著しく衛生上有害となるおそれのある状態」「適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態」「その他の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態」のいずれかに当てはまると、「特定空家等」に指定されることがあります。
この「特定空家等」に指定された場合、市町村長は区域内にある空家の所有者・管理者を把握するために調査を行うこと、所有者・管理者に対して適切な対策を行うように助言、指導、勧告、命令をすることができ、それでも実行されないような場合には、行政代執行法に基づいた適切な措置を執ることも出来るというものです。
この法律のもう一つの注目する点は、税金です。
「特定空家等」とされた場合には、住宅用地の軽減措置がなくなります。
固定資産税の場合、特例により課税標準額が住宅用地で200㎡以下の部分(小規模住宅用地)は評価額×1/6、住宅用地で200㎡を超え、住宅の床面積の10倍までの部分(一般住宅用地)は評価額×1/3となりますが、この特例の適用がなくなり税金が高くなってしまうのです。
いずれ住むかもしれないのでそのままにしている、共有財産なので自分だけではどうしようもない等、色々な理由があると思いますが、税金の面で大きく変わりますし、何よりも空家であることにより火災が起きた場合のリスクや犯罪に使われてしまうリスクもありますので、使用されていない不動産があれば今から対策をされることをおすすめいたします。