2015年3月18日

【民法改正】  敷金トラブルの現状

スタッフコラム(堀口)

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意外と気にしていないが実は日常生活と密接に関係している民法が、120年ぶりに大きく変わろうとしています。

現在の民法は、1896年に制定されたものであり、今の時代には合わない条文も確かにあります。

今回、改正が検討されているものの中で、不動産賃貸に関わってくる箇所と言えば「敷金」です。

現在の民法では敷金に関する項目はありますが、その範囲や返済義務の要件については記載がありません。国土交通省のガイドラインはありますが、あくまで参考とすべきルールのような位置付けです。

 

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その結果、退去後の入居者が負担するべき原状回復の範囲でトラブルが多く見受けられました。
返還時期についても、民法では定められていませんので、契約書の条文で謳われているものが返還される時期となります。

しかし、今回の民法の改正案では、敷金を「いかなる名義をもってするかを問わず、賃料債務その他の賃借権に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭債務を担保する目的で賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。」原状回復義務の範囲は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷を「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。」とそれぞれ明文化されます。

つまり、賃借人がごく一般的な使用をし、退去の際にごく一般的な清掃をした場合、居住期間における経年劣化を修繕するための費用に敷金を充てるのではなく、原則賃貸人が自ら負担する必要があるとルール化されることとなります。

不動産賃貸業を営まれている皆様には、改正される前より「敷金は全額返還するもの」と考え、新規で入居者を募集する際に退去時のリフォーム費用を事前に計画した上で行い、敷金トラブルに巻き込まれないように今から対策されることをおすすめいたします。