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皆様の中には、すでに競売に参加されている方もいらっしゃると思いますし、何をすればいいのか分からないと思われている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本日は、収益を目的とした時の競売物件に入札する前に気をつけなければならない点をお伝えしたいと思います。
すでに入札を経験されていらっしゃる方もお付き合いいただければと思います。
①3点セットと現況の相違を確認する。
3点セット記載の内容は物件公告の数ヶ月前の状況であり、入札時と大きく異なっていることが多くあります。 特に区分所有マンションの場合、管理費や修繕積立金の滞納はどのくらいまで増えているのかをしっかり確認する必要があります。
滞納の承継は落札された方に承継されますので、落札後に知らなかったでは 済まされません。
また、入居者が現在も入居しているのかも確認しておく必要があります。
万が一、退去済みであれば賃料収入がないだけでなく、新たな入居者の確保にお金と時間が必要になります。
②物件周辺の賃貸需要や賃料相場を調べる。
入居者が入っているからといって安心は出来ません。競売となり面倒な事態になったことで 退去のタイミングを見計らってる入居者もいらっしゃいます。そのために今すぐに入居者を募集するのであればどのくらいが相場なのか?数年後にはどの程度の賃料下落が生じるのか?を調べておかなければなりません。
この2点を調べておく事により、占有者の種類に寄っては退去してもらい新たに入居者を探すことも可能となります。現在の入居者の賃料が相場に比べ安い場合、このようなことも考える事が出来ます。
③落札後にかかる諸費用がどの程度かを把握しておく。
①でもお話したように管理費・修繕積立金の滞納は承継されます。
また、落札後所有権移転手続きのためにかかる費用として、書類の取得費、通信費、登録免許税があります。入居者から債務者兼所有者が預かっている敷金の返還債務を承継しなければならないケースもあります。
このような落札した際に必要となってくる費用を出来る限り把握し、入札価格を検討する際に考慮しておくことが望ましいです。
④明け渡しをスムーズに行なってもらえないことを想定しておく。
意外と皆様が簡単に思われているのが物件の明渡しです。確かに所有権の移転が完了すれば物件は落札された方の物です。
従って債務者兼所有者が建物内に居座る事は出来ません。しかし、素直に出て行ってくれない人がいるのも現実です。
また、債務者兼所有者は占有していないが室内に多数の動産が放置されているケースもよく見受けられます。このような場合、無理やり追い出したい、動産を勝手に処分したいと思いますが、法治国家では自力救済は認められません。裁判所の手続きに従い、強制執行を行うしかないのです。
強制執行に掛かる費用は、動産の量により大きく異なりますが、一般の住宅の場合約50万円程度、工場や倉庫などの場合には100万円を超えることも少なくないようです。物件の状況によってはこれらの費用も入札価格を検討する際に考慮しておきたいところです。
落札をした後に予想外の費用や手間がかかると分かった場合、残代金を納付せず放棄することも可能では有ります。
しかし、この場合には買受申出保証額を没収されてしまいますし、場合によっては今後入札に参加できなくなる可能性もあります。
そのような事態にならないため、入札の際のご参考にしていただければ幸いでございます。
弊社では、お客様の取得目的に応じてお手伝いもさせていただいております。
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