2020年3月18日

賃貸マンションで賃借人が逮捕された際の合意解約について

スタッフコラム(吉機)

この記事は 2分26秒 程で読んで頂けます。

大変お世話になります。

プロパティマネジメント事業部の吉機(よしき)と申します。

今回は前回のコラムで書かせて頂きました、「賃貸マンションで賃借人が逮捕された場合の賃貸借契約を解除ができるか」の続きを書かせて頂きます。


まず、賃貸マンションで賃借人が逮捕された場合、すぐに契約を解除できるか?

といった内容ですが、結論は「逮捕」の事実だけでは賃貸借契約の解除はできないというのが答えでした。

逮捕を理由とした契約の解除が出来ない為、どうしても解約をしたい場合は、合意解除の手続きを行う必要があります。


『賃貸借契約の合意解除』

一般的に逮捕された方は判決が下るまでは警察に勾留されております。

また判決次第では、長期間、貸室を使用できない場合もある為、使用不可能な状況下にあれば、解約を合意して貰える可能性があります。

合意解除は勾留中でも対応は可能なので、まずは本人と面会しお話をするのが良いと考えます。

勾留先が分からない場合は、保証人・緊急連絡先の方へ確認や、所轄の警察署で内容を伝えると教えてくれる場合がございます。

但し、「接見禁止」の処分や、本人が勾留先を教えたくないといった場合には、居場所の特定が出来ないので担当の弁護士に依頼をすることが多いです。

また面会する事が可能な場合は手続きがスムーズに進むように、以下書類を持参する事をお勧め致します。


解約通知書

●動産物・残置物処分の合意書

●その他必要な書面(原状回復、敷金精算等)


解約通知書を取得する事ばかりを意識し、「動産物・残置物処分の合意書」を取得するのを忘れがちになるので注意が必要です。

上記の合意書を取得できないと、解約日以降も貸室内に動産物や残置物がある場合は勝手に移動・処分する事が出来ず、もし勝手に処分してしまった場合、逮捕者が出所した後から損害賠償を求められる場合があるので気をつけましょう。

では賃借人が合意解除の手続きを承諾しない場合ですが、どうしても賃貸借契約の解除をしたいのであれば、賃料の未払いを理由とした明渡し訴訟の手続きを行う必要がございます。

上記手続きの場合には「信頼関係の破壊」が必要となります。

「信頼関係の破壊」が認められるのは一般的に賃料の3ヶ月分の滞納事実が必要となる為その後に明渡しを進め、最終的には裁判で判断が決まる事になります。


上記は一般的なお話となりますので逮捕されたからといって全て一律に対応するのではなく、逮捕者と面会した上で、既存入居者への影響も考え慎重に進める必要があると考えます。

今回は以上となります。

最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。