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不動産の売買契約を締結する時に多くの取り決めをする必要があります。
その中の一つに滞納賃料の取り扱いがございます。
滞納賃料について何の取り決めもなく物件の引渡が完了すると、売主が物件を所有していた時の賃料債権は売主に帰属することになります。
そうなりますと、買主が物件取得してから賃料回収を行う際に売主とバッティングすることがあり、運営に影響が出てしまいます。
実務上の取り決め方法の一部として下記がございます。
①物件引渡から一定の猶予期間を設け、その間に売主が滞納賃料を回収出来なかった場合は、賃料債権を放棄する。
②物件引渡時に売主が保有する賃料債権はすべて放棄する。
③物件引渡時に売主が保有する賃料債権を買主へ譲渡する。(有償・無償問わず)
物件の個別性や、売主様・買主様のご意向にもよるのですが、物件引渡時に出来るだけ残務作業を残さないようにすることが多いので、賃料債権の放棄や無償譲渡することが実務上は多いと思われます。
なお、債権譲渡をする場合は債務者へ譲渡人から通知をする必要がありますので、通知の費用負担をどうするのか等の取り決めに注意が必要です。