2015年6月17日

【東京都の条例改正案】  振り込め詐欺の契約解除義務化

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東京都は、本年6月に行われる都議会で「安全・安心まちづくり条例」の改正案を都議会に提出する予定です。
その改正案では、「危険薬物の濫用の根絶」と「特殊詐欺の根絶」が追加され、建物の貸主としての責務が盛り込まれています。

条例が制定されると、建物が建物が危険薬物の製造・販売や振り込め詐欺等の温床にならないよう、契約書に特約条項を記載する事を貸主の責務とすることになりそうです。

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東京都条例改正案の貸主の義務は
・貸主は契約時、借主に危険薬物の販売等または特殊詐欺で建物を使用しないことを確約させる
・貸主は、危険薬物の販売等または特殊詐欺で建物を使用した場合、契約解除することを契約書に定める
・貸主は、所有建物が危険薬物の販売等または特殊詐欺に使用されていることを知った場合で、解除条項を規定しているときは、契約を解除し、建物の明け渡しを受け入れる

 

上記の義務を実施しなかった場合でも、貸主に罰則が設けられるということはないようですが、「義務として遂行するよう努める」ことが求められることになりそうです。

改正案が可決されれば施行は9月1日を予定しています。

危険薬物に関しての義務規定は、これまでいくつかの自治体で定められたケースがありますが、特殊詐欺に関して盛り込まれるのは全国で初めてです。
都内では昨年、特殊詐欺による被害額が80億円に上り、条例の改正で犯罪の温床を作らないよう入り口で防止することを目指しています。
この貸主の義務化が可決されることにより、トラブル回避ができるのか、その他の地域同じように貸主の義務化が推進されるのか、注視することをおすすめ致します。

 

※特殊詐欺とは
面識のない不特定の者を電話その他の通信手段を用いて対面することなく欺き、不正に入手した架空または他人名義の預金口座への振込み等により、被害者に現金を送らせる詐欺、いわゆる振り込め詐欺の事