この記事は 3分26秒 程で読んで頂けます。
大阪市内の不動産価格の上昇が続いています。
大阪府不動産鑑定士協会が7月時点の大阪市内の期待利回り調査の結果を発表しました。
オフィスの期待利回り
エリア | 平成26年1月 | 平成26年7月 |
御堂筋北(本町) | 5.66% | 5.57% |
御堂筋南(心斎橋) | 5.82% | 5.63% |
梅田 | 5.34% | 5.24% |
四ツ橋筋(肥後橋) | 6.07% | 6.04% |
堺筋(北浜) | 6.36% | 6.22% |
谷町筋(天満橋) | 6.71% | 6.44% |
京橋(OBP) | 6.89% | 6.59% |
難波 | 6.40% | 6.17% |
新大阪 | 6.43% | 6.15% |
調査の結果、オフィスは全地域で期待利回りが低下しています。
”期待利回り”とは、不動産投資家が投資価値の判断基準とするもので、空室率が低下して賃料の上昇期待があると利回りが低下します。
調査対象の9エリアにおいて、期待利回りが下落(価格は上昇)となっており、オフィス市場への投資意欲が継続して回復していることを示していると言えるでしょう。
市内のエリア別ランキングでは、1位梅田、2位御堂筋北(本町)、3位御堂筋南(心斎橋)と、上位3位は平成23年1月より変わらない順位です。上位3位の順位は変わりませんが、人気エリアが0.09%から0.19%の低下に止まっているのに対し、四ツ橋を除くその他のエリアは0.2%を超える低下となりました。
特に京橋や新大阪などで大きな下落率(価格の上昇)となりました。
これは、中心オフィスエリアの期待利回りの低下余地が少なくなってきた(これ以上の賃料の上昇や空室率の低下は見込みにくい)こと、人気の高い3エリア以外でも賃貸マーケットの改善が認められることを反映しており、中心部(梅田エリア等)との格差が縮小傾向にあることで、投資エリアの拡大を反映しているものと考えられるでしょう。
住宅の期待利回り
エリア | 平成26年1月 | 平成26年7月 |
梅田 | 5.57% | 5.41% |
天神橋筋六丁目 | 6.06% | 5.79% |
本町 | 5.96% | 5.62% |
難波 | 6.26% | 5.90% |
谷町四丁目 | 6.20% | 5.90% |
京町堀 | 6.10% | 5.90% |
新大阪 | 6.20% | 5.95% |
福島 | 6.07% | 5.90% |
堀江 | 6.05% | 5.86% |
阿倍野 | 6.31% | 5.98% |
住宅もオフィスと同じく全エリアで期待利回りの低下(価格の上昇)となりました。住宅に対する全般的な投資需要は、依然堅調であると言えるでしょう。
1位は梅田、8期連続の1位、2位に本町、3位に天神橋筋六丁目となります。今まで順位の低かった難波でも、谷町四丁目・京町堀・福島等と同じ5.90%まで低下しました。
住宅系では全てのエリアで6%を下回る結果となり、若干期待利回りが高いとはいえ、オフィスでも全エリアが期待利回りが低下した背景には、梅田北ヤードの再開発やあべのハルカスの開業に加え、大阪市内の空室率の低下と東京の不動産価格が上がり過ぎている事による大阪への投資資金の流入が考えられます。