2013年6月19日

【建築規制】  東京23区のワンルームマンション規制 原因は供給過多?

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東京23区ではワンルームマンションの建設規制がますます厳しくなってきています。

 

関西圏でも一部規制が施行されているエリアもありますが、東京23区内では1戸当たりの最低面積が25㎡以上とされているエリアや、ワンルームマンションの建築時に一定割合以上のファミリータイプの部屋を併設しなければならない等の規制があります。

 

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規制を敷いた主な理由として、以下のようなワンルームマンションの居住者の問題があると考えられているようです。
・地域コミュニティへの参加が少なく、地域活動収縮の一因になる
・ゴミ出し方法や夜中の騒音などマナーやモラルについての問題が多い
・住民票を置かない住民が多く、住民税を課すことができない

 

また自治体によっては、単身者向けのワンルームマンション建設を規制することで単身者世帯を減らし、地域の活性化に繋がるファミリー世帯を誘致したいという思惑が背景にあります。

規制の対象や内容は各区によりさまざまですが、中でも豊島区では5年前から厳しい規制を導入しています。
豊島区は複数の路線のターミナル駅として知られる「池袋」駅があり、23区の中で最もワンルームマンションや単身者の割合が高いことから、厳しい規制導入につながったようです。

 

その規制内容とは
専有面積30平米未満の住戸が9戸以上ある新規集合住宅に、1戸あたり50万円を課税するワンルームマンション税です。この課税を導入している自治体は現在の所、日本国内で豊島区だけです。

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平成16年に施行された結果、規制の目的であるワンルームマンションの戸数割合は減少し、30平米未満の住戸は、住宅土地統計調査では平成15年から20年の5年でマイナス1.3ポイント、国勢調査では平成17年から22年の5年でマイナス5.6ポイントという結果となっています。

 

豊島区では、施行後5年ごとに見直しの検討を加えることが定められており、5月31日から数回の検討会議を開き、年内か年明けまでには2014年以降の方向性についての報告をまとめるとしておりますので、ワンルームマンションのデベロッパーは更に厳しい規制が敷かれるのではないかと懸念しています。

 

今後、他の区でも更なる規制の影響により、投資目線に見合うワンルームマンションの建設がますます難しくなる事も考えられます。

 

また、大阪市内でもワンルームマンションの供給は過剰気味になっていますので、今後は豊島区の様に、更なる規制強化が導入される可能性も十分考えられます。

 

不動産は金融環境や需給だけでなく、政府や地方自治体の法改正や規制等により大きく市況が変わる事があります。
関西エリアで投資をお考えの方でも、これからの動向を注視する必要があるでしょう。