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5月1日、大手銀行の5月の住宅ローン金利が4か月振りに引き上げられました。
固定型10年の最優遇金利は、三菱東京UFJとみずほ、三井住友、りそなの4銀行が前月比で0.05ポイント引き上げ、1.40%となりました。
長期金利の指標である新発10年国債の利回りが上昇し「銀行が調達する際の金利が高くなった」為に長期金利の上昇に繋がった様です。
4月には日銀の金融緩和が行われ、日銀が大量に国債を買えば国債金利が低下し、住宅ローン金利も下がると期待されましたが、結果は異なりました。
要因は、”異次元緩和”と言われるほどの大規模な金融政策によるもので、政府が新たに市場で発行する国債の約7割を買い取るという大がかりなものだったため、市場の需給が一時的に崩れ、長期金利が乱高下しました。
住宅ローン金利と連動しやすい新発10年物国債の利回りは0.55%から一時0.315%まで急落後、5月14日時点では0.85%まで上昇する結果となりました。
この金利乱高下は、日銀による発信やオペ手法にも要因があったとして、日銀では毎月の国債買い入れ回数の増加など、直ちに工夫を図って行くようです。
また、今後の急激な上昇に対しては機動的なオペ(公開市場操作)で対応する姿勢を示し始めました。中長期的には金融緩和の効果が表れ、金利が低下するかもしれないものの、予想がつきにくく、予断を許さない状況だと思います。
消費税増税前の駆け込み需要と併せて、金利を下げることで消費を後押しし、景気上昇につなげる政策でしたが、住宅を購入しローンを組むことを懸念する傾向になっています。
今後、景気が本格的に回復すれば、金利がゆっくりと上がっていく「良い」金利上昇が起きるとみられていますが、一方では投資家が日本の財政再建は難しいと判断して国債を一気に売ってしまうと、景気が回復しないまま金利が上がってしまう「悪い」金利上昇になるかもしれません。
6月以降も住宅ローン金利の動向を注視する必要があるのではないでしょうか。