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3月21日に国土交通省より公示地価が発表されました。
住宅地の全国平均は1.6%の下落(前年は2.3%の下落)、商業地の全国平均は2.1%の下落(前年は3.1%の下落)となり、全国的には2009年から5年連続の下落となりましたが、下げ幅は3年連続で縮小しており、特に東京・大阪・名古屋の三大都市圏の下落率は0%台と、都心部を中心とした上昇地点が前年の546から2008に増えたことが下落幅縮小につながったようです。
その大きな要因としては、低金利と来年4月に予定される消費税引き上げ前の駆け込み購入を背景に、注文住宅やマンションの需要が高まり賃料が上昇している事に加え、日銀によるJ-REITの買取による市場の活性化などと言われています。
J-REIT指数は、昨年は800~900でしたが右肩上がりに上昇し、3月27日には昨年の2倍近い1700を記録しました。
これはアベノミクス効果による景気回復の兆しだと言われています。
ちなみに大阪圏の公示地価は
大阪圏全体では、住宅地がマイナス0.9%、商業地がマイナス0.5%となっています。前年は住宅地、商業地とも東京圏に比べてやや小幅な下落だったものの、今年は逆に住宅地が東京圏をやや上回る下落となり、商業地は東京圏と同じ下落率でした。
住宅地の市区別平均では、大阪市福島区・天王寺区・阿倍野区・北区・中央区、神戸市東灘区、芦屋市が2年連続の上昇だったほか、京都市中京区、大阪市浪速区、神戸市灘区、兵庫県西宮市、伊丹市が新たに上昇となりました。その一方で、前年は上昇だった京都市上京区が今年は下落となっています。
大阪圏の住宅地で上昇率が大きかった上位10地点は、芦屋市、西宮市、奈良市など、兵庫県と奈良県の地点が占める結果となり、東京圏と同様に圏域中心部での地価上昇にはまだ勢いがないようです。
今回の公示地価は1月1日時点での地価ですので、アベノミクス効果が顕著に見られるのは、今年9月の基準地価発表か、来年の公示地価発表という見方が強くなっています。
大阪圏は回復のスピードが緩やかではありますが、今後さらにアベノミクス効果が期待されていますので、圏域中心部は回復の兆しが見える可能性があるでしょう。
地価の上昇は、資産効果などを通じて個人の消費を促すほか、企業の経済活動にも好影響を及ぼします。地価が上がれば、不動産売却のタイミングとしても考えられますし、相続財産評価が上がる可能性も考えられます。
今回地価が上昇しているのは都心部ですので郊外部に上記のような影響は今の所ありませんが、今後の地価昇降やJ-REIT指数を注視する必要があるでしょう。
※公示地価とは
地価公示法(昭和44年法律第49号)に基づき、国土交通省による土地鑑定委員会が毎年1回公示する、1月1日時点における標準地の価格で、公共事業用地の取得価格算定の基準とされるほか、一般の土地取引価格に対する指標となることを目的としています。