2013年3月19日

【収益不動産市況】 売却物件不足 売り手市場の鮮明化から練る戦略とは

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皆様も既に良くご存じのとおり、現在の収益不動産市況は売却物件が不足しています。

 
首都圏はもちろんのこと、関西エリアでもその傾向ははっきりと表れてきており、銀行系や大手不動産会社の方々も一様に「個人投資家の間で不動産を保有しようという動きは確実に強まっている。」との認識を持たれています。

そして、「個人投資家の購入意欲は旺盛だが、売物件が出てこない。」との認識も共通しています。

そこで大手不動産会社の傾向や戦略の一部をご紹介いたします。

 

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◆銀行系不動産会社 A社
「1年前は買い手がつかなかったファンド系が売りに出した高額不動産が次々に売れている。価格が下がったわけではなくて、買い手の買い意欲が旺盛になった。
3億~10億円の利回り5.5%~6%という低利回りなものが流通している。」

 
このような見解があり、立てた戦略は相続対策を目的とした投資家をターゲットにしていく様です。

 

低利回りでも売買が行われている理由として、相続対策が考えられます。相続対策で不動産を探す場合は急ぐ場合が多く、利回りが二の次となりやすいようです。
さらに、相続対策の必要性を身近に感じ始めたり、老後の生活資金に不安を感じた人が収益用不動産を購入する傾向にあるそうです。

 

◆大手不動産会社 B社
首都圏等の地価の高いエリアを得意とする会社で、そのエリアを求める投資家層は高額収入者や資産家が多いため優良顧客の確保に成功しました。さらに収益不動産を扱う法人営業部を拡充されました。

 

では、売り物件の確保はどのようにしているのかというと社内で共有しているイントラネットの活用がカギとなっています。大手の強みであるブランド力を生かして集めた優良な不動産情報を共有し、囲い込みに成功した顧客へその情報が渡るというしくみだそうです。

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◆大手不動産会社 C社
「年金代わりに不動産を持とうと考える人が多かったが、今は投資目的の人がほとんど。

購入時から売却を選択肢に入れて出口戦略を描いている人が大半。」と見解を示すこの大手不動産会社は、取得後5年を経過した顧客へ積極的に物件の入れ替えを提案し、そのニーズに沿うように、コンサルティングを行い顧客満足を得ています。

結果、リピート客や紹介客が販売実績の約半分に達しているようです。

 

このように各社のカラーを生かした戦略が、顧客の囲い込みにつながっている様です。また、これまでアパートローンに積極的でなかった金融機関が新規参入する等によりアパートローンの実勢金利は1.5%以下になってきているとの意見もあります。

 

物件の価格が上昇すれば、当然利回りが低下します。

しかし、利回りの低下以上に調達金利が低くなれば、キャッシュフローは良くなる可能性もあります。

 

当面は売り手市場が鮮明である中、皆さんはどのように現状を捉え、物件を取得されるのか、どのような目的で物件を買い、その物件をどのように活かすのか、また物件を売るタイミングはいつなのか、等々長期的な戦略をしっかり立てる事をお勧めします。