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まず、J-REITとは
投資家から集めた資金でビルや商業施設、マンションなどを購入、その賃貸収入や売買益を分配する商品です。
投資信託の仲間ですが、証券取引所に上場しています。
J-REIT市場は2001年に創設されてからすでに10年を経過しました。
ピーク時には時価総額7兆円近くまで達しましたが、リーマンショック以降運用破綻による上場廃止や、J-REIT同士の合併等を繰り返し規模が縮小されました。
現在は34銘柄が上場・運用し、時価総額は3兆5000億円の規模になっています。
機関投資家や一部の個人投資家には新たな資産運用の手段として定着しつつありますが、まだまだ一般の方には認知度が低いのが現状です。
次にJ-REIT市場の近況をお知らせします。
ここ数年、不動産市況の低迷で新規上場も途切れていましたが、相場上昇に伴い投資家の意欲も回復してきています。
先日4月26日、J-REITでは4年半振りの新規上場として、ケネディクス・レジデンシャル投資法人が東証に上場しました。
資産運用会社はケネディクス・レジデンシャル・パートナーズです。
同社は、賃貸住宅、社宅、高齢者向け住宅、サービスアパートメント、底地を投資対象にするレジデンス特化型のREITです。
上場時のポートフォリオは賃貸マンション18棟、底地2件の計20件で資産投資規模は304億円。上場時発行価格は19万円でしたが、上場初値は18万2,300円、終値は18万1,000円となりました。
4年半ぶりに新たなREITの登場となるも、欧州債務問題から市場が軟調に推移する中、REIT相場は冴えない展開となりましたが、投資口価格(株価)は低調な分、配当利回りは9%近いREITも在り、投資商品の一つとして検討してみるのも良いのではないでしょうか。
東日本大震災以降、賃貸住宅の平均稼働率は9割以上ともいわれるほどの活況をみせる仙台市内。
日本アコモデーションファンド投資法人の運用会社である三井不動産アコモデーションファンドマネジメントは、3月29日に仙台市内の学生マンション2棟200戸を取得しました。
「仙台は人口当たりの学生数が全国4位と、需要は安定的。また、震災後の仙台は活況エリア」を取得理由としています。
日本賃貸住宅投資法人は3月に仙台のレジデンスを取得しました。
物件は、地下鉄勾当台公園駅から徒歩12分の立地です。
平成19年竣工、13階建の総戸数138戸からなる単身者向けマンションです。
オリックス不動産投資法人(資産運用会社はオリックス・アセットマネジメント)は4月4日に仙台のレジデンスを2棟取得しました。
1棟は、JR仙山線東照宮駅から徒歩5分にある、平成19年竣工、全86戸のファミリー向けマンション。
もう1棟は、仙台市営地下鉄勾当台公園駅から徒歩5分にある、平成20年竣工、全66戸の単身者・DINKS向けマンションです。
4月27日、日銀が金融政策決定会合にて追加金融緩和を打ち出し、REITの買入れ枠を100億円増額の1,200億円、買入れ期限を、6ヶ月延長の2013年6月末と変更したとニュースでもありました。
2008年9月にアメリカで4番目に大きな投資銀行であるリーマンブラザーズが破綻して4年半が経ち、静まり返っていた市況に、今年大きな動きが見られるかも知れません。