2016年12月22日

【税制改正】  タワーマンション節税のけん制、高層階は増税、低層階は税負担軽減へ

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政府・与党は20階建て以上の、いわゆるタワーマンションについて、高層階の固定資産税と相続税を引き上げることを発表しました。
一方で、低層階の税負担は軽減されます。

対象となるのは、2018年以降に引き渡す新築物件です。
増税の背景には、高層階の部屋は取引価格が高額な割に税金が安く、富裕層の間で節税対策として購入する動きが広まっていたことです。

一般に、マンションにかかる固定資産税は、土地の公示価格や建物の時価などをもとにマンション全体の固定資産税評価額を弾き出し、そのうえで各部屋の床面積に応じて課税されるものです。相続税の算定基準も、この固定資産税評価額です。

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ところが、実際には同じ床面積でもマンションの低層階と高層階とでは販売価格が大きく異なります。新築物件であれば高層階の販売価格が低層階の1.5倍程度、最上階になると2倍に達するケースも少なくないという話もあります。
タワーマンションの節税とは、時価(購入額)と評価額の開きに着目し、高額物件を安く申告することです。

2011~2013年に売買された343物件を国税庁が試算すると、平均で評価額は時価の3割ほどでした。昨年の相続増税で最高税率が50%から55%になりました。
「都心の物件を中心に節税のうまみが増し、相続対策とみられるマンション購入が増えている」と話す国税関係者もいます。
この節税対策に歯止めをかけようとするのが、今回の”増税”です。

菅官房長官は10月24日の記者会見で「実際の取引価格を踏まえた固定資産税の案分方法をいま検討している。今後の税制改正で検討する」と述べました。
政府・与党は12月にまとめる与党税制大綱に盛り込むことを目指すようです。国や市町村の税収は現行制度を適用する場合と変わらないようにする見通しです。

 

 

参考資料:日本経済新聞 2016年10月25日