2016年6月27日

【判例】 民泊差し止め、大阪地裁が初判断

メルマガバックナンバー

この記事は 1分41秒 程で読んで頂けます。

マンションの部屋に旅行者を宿泊させる「民泊」の是非が争われた仮処分裁判で、大阪地裁が、マンション管理組合の主張を受け入れる形で部屋の区分所有者に差し止めを命じる決定を出しました。

民泊を禁じる司法判断が明らかになるのは初のことで、注目を集めています。

 

fa220aeac50133d16f7647915ac1150c_s

管理組合の弁護士によると、大阪市内にある100超の分譲マンションで、昨年3月頃から、特定の2部屋に出入りする外国人が急増しました。
その2部屋の区分所有者から明確な説明はありませんでしたが、管理組合は民泊を行っている可能性が高いと判断し、昨年11月に仮処分を申し立てました。

 

区分所有法には、全体の利益に反する行為を禁じる規定があります。
また、このマンションの管理規約には「専ら住居として利用する」との条項がありました。

 

仮処分の審理で、管理組合側は「玄関はオートロックなのに、宿泊者が自由に出入りしている」と安全上の問題を指摘しました。
「宿泊者が廊下やエレベーターで大声を出して騒ぐこともあった」と訴え、「民泊は、区分所有者全体の共同の利益に反する」と主張しました。

 

一方、所有者側は、民泊の実施を認めた上で「こちらが認めた人が出入りしており、安全面に影響はない」と反論していました。

9136f61673c61aaccce21cbb0f232dc8_s
決定は今年1月27日でした。

 

 

外国人の訪日が急増し宿泊施設数が追い付かないため、「民泊」の運営が増えており、上記のような事例が増えてくることが予想されます。
しかし大阪市の「民泊」に関する条例が施行されるのは10月以降とされており、条例施行に影響があるのか、動向を注視する必要があるでしょう。