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国交省は2016年12月14日「不動産取引における国際対応の円滑化に関する検討会」を開催しました。
近年増加傾向にある外国人による国内不動産投資に対し、仲介事業に参入する企業も増えています。
国交省のアンケート調査によると、不動産協会・不動産流通経営協会・全国宅地建物取引業協会連合会に所属する119社のうち、67.2%が、2013年以降に外国人客との売買取引実績があると回答しました。
また「10年前と比べて外国人客との売買取引が増えた」と回答した企業は84.9%でした。
これを受け、国交省は「不動産の海外取引を円滑化するための施策」を実施することを予定しています。
「不動産の海外取引を円滑化するための施策」
<2017年度>
・国際的な取引実務に対応した基礎的なマニュアルの作成
・マニュアルの活用に関する業界向け説明会の実施
<2018年度>
・媒介契約書など取引に必要な法的資料の外国語版の作製を検討
・日本の不動産情報を海外で紹介する際の規制に関する情報収集
(再来年度以降に、ポータルサイトのような海外への情報発信ツールを開設する可能性もある)
このマニュアル作製の背景には、中小規模の仲介会社が自力で国際的な取引に対応することが困難という予想がなされたためです。
ノウハウを共有する仕組みを作り、2017年3月までに実務に対応した基礎的なマニュアルを作成、ウェブで開示する予定です。そのマニュアルには取引の留意点、トラブル事例や判例、用語の英訳集などを盛り込む予定です。
海外投資家向けの売買物件を掲載している企業の情報を見ると、免許取得5年未満の企業が多いようです。
外国人向け不動産情報サイトを運営している企業によれば、2016年10月に問い合わせをした外国人128人からの評価が高かった上位3社の企業のうち2社が今年創業したばかりの企業とのことです。
また、東京に一極集中していた投資物件の問合せが地方に分散しているようです。
2015年までは8割近くを東京への問合せが占めていましたが、2016年1月~9月では東京が58%、神奈川・大阪・京都・北海道などが5%以上のシェアをとっています。
これは、都心部の不動産価格高騰が原因だと考えられます。
最近の傾向では、区分所有だけでなく、民泊事業を行うための中古戸建やアパート1棟の購入が増えているようです。
参考資料:全国賃貸住宅新聞 2016年12月19日号