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以前こちらのメールマガジンにてお伝え致しました「IT化される重説の社会実験実施」のその後が発表されました。
「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」の最終とりまとめです。
<概要>
・重要事項説明におけるITの活用は、まず「賃貸」と「法人の売買」につき、社会実験を行う
・テレビ会議・テレビ電話等の動画と音声を同時に、かつ双方向でやり取りできるシステム等に限る
・電話・メールは「宅建主任者の本人確認」、「その場の質問等の十分な双方向性」、「消費者の理解度」が確認できない為、検討しない
・テレビ会議・テレビ電話等の社会実験は、最大2年間行い、並行して検証検討会を半年に1回行う
・社会実験と検証検討会を経て、懸念がなければ本格運用の体制作りに着手する
・書面の「交付」方法に関しては電子署名等を前提として、ガイドラインを作って運用をしていくことを検討していく
<社会実験を行う上で事業者に課せられている責務>
○重要事項説明”前”
・事前に重要事項説明書を送付すること
・説明を受ける者にインターネットを活用した重要事項説明について同意確認書の返送を求めること
・社会実験であることや、対面かITかを選べること、録画され必要に応じて国に提供されることなどを説明すること
○重要事項説明”中”
・非説明者に対して、画像や音声の環境が問題ないか確認
・取引主任者証の提示と記載内容の読み上げ。非説明者に取引証を確認した旨を口頭で確認
・本人確認
・非説明者にIT重説に同意することを口頭で確認
・録画・録音されること
・録画については説明者と非説明者の両方が録画されるようにすること
・非説明者がIT重説の中止を求めた場合やなんらかの理由(機器トラブルなど)によって重要事項説明の継続が困難となった場合はIT重説を中止すること
○重要事項説明”後”
・アンケートを2回(契約時と契約から半年後)契約者に対し実施し、その回答を回収すること
・重要事項説明を実施した取引主任者は、重要事項説明が適切に行えたか報告すること
・毎月月末に、IT重説の件数を報告(なかった場合でも報告義務あり)
・重要事項説明について、録画・録音し、それらのデータを社会実験期間中保存するとともに、個人情報の漏洩がないよう適切に管理すること
・トラブルが発生した場合は速やかに報告すること
最終とりまとめ案公開から準備期間が6ヶ月程度とのため、実際のIT重説が本格的に実験開始されていくのは7~8月頃からと見込まれています。
その社会実験を最大2年間行った上で本格始動されることとなります。
物件の検索のIT化の普及が進んでいる賃貸住宅業界は、これらも含め異業種からの参入、外国人の増加等もあり、業界が大きく変わるかもしれません。
このIT化の波を捉え、対応策を図っていく必要があるでしょう。
検証検討会が半年に1度開催される予定ですので、大きな動きがあればこちらの不動産ニュースメルマガでお知らせ致します。