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国土交通省は平成24年8月より「不動産価格指数」を試験運用し、公表することを発表しました。
まず「不動産価格指数」とは何でしょうか?
国際指針に基づき、更地・建物付土地及びマンション価格の月次の変動を指数化し、全国・ブロック別・都市圏別に算出したものです。
ではなぜ「不動産価格指数」を公表することになったのでしょうか?
答えは、金融・経済危機の要因となる不動産価格の変動を把握するためです。
米国のサブプライムローン問題やヨーロッパの不動産バブル崩壊は、金融・経済危機へとつながっています。
これを把握できなかったのは、不動産価格の変動に関する情報が不十分であったと考えられているためです。
この反省から不動産価格指数の作成に関する国際指針が作成され、主要先進国はこの国際指針に従って指数を整備し、運用を開始することにしているのです。
また、不動産市場の透明性の向上、ひいては国内外からの不動産投資の活性化に資するためとのことです。
ではこの把握すべき「不動産価格指数」はどのように算出するのでしょうか。
国土交通省では2005年4月から不動産の取引価格等(実際の売買価格、面積、最寄駅からの距離、築年数など)の調査を開始し、個人情報を秘匿化した上で不動産取引価格情報として年間約30万件提供しています。このデータを基に、ヘドニック法を用いて指数化します。
このヘドニック法とは?
不動産の価格はそれぞれの物件の立地や特性によって大きく異なります。
「不動産価格指数」では毎月の市場動向の変化を把握することを目的とするため、その価格変動の要因となる物件の個別性(所在地域や広さ、駅からの距離、築年数など)を除き「同一品質の物件」と仮定してデータにします。
つまり
不動産の価格 = 「個別物件の特性に由来する価格」 + 「不動産市場の時間的な変化に由来して変動する価格」 とみなして計算する方法です。
次に公表がスタートした「不動産価格指数」の速報概要についてご案内しましょう。
対象用途は
住宅総合、更地・建物付き土地、マンション
対象地域は
全国、9ブロック別、都市圏別
算出期間は
2008年4月より
基準時点は
2008年4月より2009年3月までの算出平均値を100として基準化
取引月から公表までの期間は
約5か月
公表頻度は
毎月
公表スケジュールは
平成24年4月分の速報を平成24年8月29日を皮切りに、5月分速報は10月初旬、6月分速報は11月初旬と、5か月後の初旬に速報が公表される予定です。
※早い段階で利用可能な情報のみを用いて作成した「速報」と、現地調査による詳細な情報を加えて作成した「確報」(取引の約1年後に発表)と2回公表します。
米国などではすでに不動産価格や指数などの公表が進み、中古住宅を含めて不動産取引も活発に行われているようです。
日本でも同様に不動産市場の活性化に繋がれば良いですね。
不動産価格指数公表についての詳細はこちらをご覧ください。