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東京都は、2012年中に都内で死亡した人の数が出生数を2,025人上回り、人口が「自然減」になったと発表しました。
東京都で自然減が確認されたのは、1956年の調査開始以来初めてとなります。
都人口統計課によると、昨年1年間の都内の死亡数は12年連続で増加しました。前年の10万5,914人より4,000人近く増加し、10万9,651人でした。
一方、出生数は10万7,626人で、前年の10万6,443人に比べて1,000人以上増えたものの、死亡数の増加分には及びませんでした。
「都内でも少子高齢化に歯止めがかかる見通しはない。自然減はこれからも続く」との見通しを示しました。地方で深刻化する自然減が首都でも確認されたことは人口減社会の進行を象徴するものといえるでしょう。
一方、転入者を含めた「社会増減」でみると、都内では17年連続で増加傾向が続いており、人口が自然減しているということがすぐに賃貸需要が減るという事に直結するわけでは有りませんが、関東エリアでも人口の自然減が発表されており、近い将来東京都でも自然減だけでなく、社会減になる可能性があるでしょう。
日本全体でも人口の自然減が21万2千人と過去最多になることが、厚生労働省が31日に公表した人口動態統計の年間推計で明らかになりました。
日本の人口は、05年に初めて死亡数が出生数を上回り、自然減に転じ、06年には出生数が増えて自然増となりましたが、07年以降は6年続けて減り続け、減少幅も年々拡大しています。
つまり人口密度が高く、社会増減でみる人口が増え続けている東京都なら賃貸需要があり安心、というイメージは将来的に崩壊する可能性があります。
今後、物件購入の際にはマクロ的に見るのではなく、物件ごとの賃貸需要の状況や住民の年齢層等しっかりリサーチし、ターゲットを明確にしていく事が賃貸運営の大きなカギとなるでしょう。
※自然減とは
住居の移動による人口の増減を除いた人口の減少。死亡数から出生数を減じた数。
参考 : 読売新聞 2013年2月2日号