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先日の不動産ニュースでは【公示地価】についてお知らせ致しました。
公示地価は2009年から5年連続の下落となりましたが、下げ幅は3年連続で縮小し、特に東京・大阪・名古屋の三大都市圏の下落率は0%台となりました。
都心部を中心とした上昇地点が前年の546箇所から2008箇所に増えた事が下落幅縮小につながったと思われます。
公示地価の下げ幅縮小は、アベノミクス効果による景気回復の兆しが見えてきたと言われましたが、公示地価はあくまでも1月1日時点での価格ですので、実際の現場ではアベノミクスによる景気回復に基づいた価格上昇傾向ではなく、期待先行との声も聞かれていました。
しかし、ここ1~2カ月で投資用不動産を中心とした不動産価格の上昇が顕著になってきています。
全国主要都市の不動産業者の現場の声として、名古屋では半年前の2倍の価格で土地が売れた話や、首都圏では売り物件が無い為、名古屋地区に目先を移した個人投資家からの問合せが大幅に増加した話などがあります。
震災復興特需に沸く仙台では、Jリートによる仙台市内不動産の資産組み入れが今年に入ってからだけで3,000億円に達しています。
また札幌ではリーマンショック以降、大手マンションデベロッパーの撤退が相次ぎ分譲マンションの供給がストップしていましたが、最近では支店準備室を開設している大手デベロッパーがいたり、バブル以降最高値となるファミリーマンションが2ヶ月で完売したりと、実需不動産の動きも活況になっています。
更に、福岡では賃貸住宅の需要が高まっており、法人・社宅の申込が4月に入っても続き、普段は苦戦する大型物件や入居付し難い高級物件でも早いスピードで成約していっているそうです。
アベノミクスの効果がこのペースで不動産市場に広がれば、都心を軸に地価上昇の圧力が更に強まることになるでしょう。
公示地価の段階では一部に留まっていた地価上昇がどれだけ周辺へ拡大するか、この売り手市場をどう活かすか、また数年後を見据えた不動産投資方法についてもお考えになる重要なタイミングではないでしょうか。
参考資料 : 全国賃貸住宅新聞 2013年4月22日号