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大阪市西成区で今年6月、生活保護受給者である男性3人が申告した住居が、生活保護費支給の対象外とされました。
理由は住居が「狭すぎて危険がある」ことです。
広さは1.5畳、高さが約1.7mの部屋が上下2段に棚状に約10室並ぶ、簡易宿泊所を改装したカプセルホテルのような構造でした。また各部屋に窓があり、風呂・トイレは共同、2階住居からの出入りははしごで出入りする仕様でした。
その劣悪な環境にもかかわらず、家賃は大阪市の単身世帯への住宅扶助の上限額(42,000円)に近い4万円でした。
生活保護制度では、受給者の住居の広さなどに関する規定はありませんが、劣悪な環境に生活保護受給者を住まわせるのは生活保護法の精神に反しているとされています。
大阪市は、生活保護法に基づき「健康で文化的な最低限度の生活」を目指すため、男性3人に生活保護を支給できないと通知し、狭小住宅の経営者に改善を促しました。
これを受けて経営者は、住居を従来の上下2室ずつ計4室を1室にまとめる改装を行いました。
劣悪な住環境にならたないための規定が定められた「シェアハウス」について、以前この不動産ニュースでお知らせしました。
生活保護受給者の住宅も、「シェアハウス」同様、貧困ビジネスに利用されないように取り締まる必要があります。
今回の生活保護費不支給は、「全国でも珍しい」と厚生労働省が発表しているように、生活保護制度の住宅に関する規定ができるきっかけとなるかもしれません。
参考 : 毎日新聞 2013年10月17日付