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国内最大級の不動産専門データバンク「東京カンテイ」が、首都圏、近畿圏、中部圏の「2013年度の分譲マンションの平均成約賃料と過去10年間の平均賃料の推移」を発表しました。
2013年度、首都圏の平均成約賃料は2,536円/平米で、前年比+1.7%となりました。首都圏では2009年をピークに下落基調で推移していましたが、2013年は新築物件の供給が増えたことや、築浅物件の成約が多かったことに加え、景況感の改善も影響していると見られており、2,500円台を回復しました。首都圏の中でも特に東京都の回復率は高く、前年比+2.4%でした。東京都も2008年を境に下落基調で推移していましたが、2013年には反転上昇して、前年比+2.4%の2,986円/平米と、5年ぶりのプラスとなりました。
中部圏では、前年比+3.0%である1,537円/平米となっており、ミニバブル期にも上昇することなく2012年まで下落基調で推移していた名古屋市でも、2013年には上昇に転じ、+3.7%の1,650円/平米と1,600円台を回復しています。
今回の賃料推移で最も上昇したのは近畿圏で、前年比+6.3%の1,809円/平米でした。近畿圏の中でも大阪府は前年比+8.2%と大きく上昇しており、首都圏や中部圏と同じく、新築や築浅物件からの事例増加に伴ったことに加え、特に近畿圏では2013年初頭以降も断続的に新築物件の供給が増加したことが要因と考えられています。
さらに詳しく、主要都市別に見てみましょう。
東京23区では、2012年まで下落し続け3,000円割れ目前に迫っていたものの、2013年には反転上昇、前年比+2.5%の3,091円/平米と、2011年の賃料水準を上回りました。
大阪市、神戸市は、2012年の年末~2013年初頭にかけて、築浅物件からの成約事例増加で大幅に上昇しています。特に大阪市では2013年下半期も断続的供給が続いた影響が大きく、+8.7%と主要都市の中でも突出した上昇幅を示しました。
昨年は、リーマンショック後にデベロッパーや投資家が安価で取得していた土地への建築が進み市場に供給されるタイミングと、景気回復への期待感が合わさった事で、平均賃料の上昇に繋がったと思われます。しかし、4月の消費税増税と建築価格の高騰で、不動産市場がどのように変化していくのか、注視する必要があるでしょう。