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賃貸マンションの人気設備としてここ数年常に上位にランクインしていた設備として、「インターネット無料」があります。
単身者向けの物件や、稼働率が下がってきた物件に導入する事が多いのですが、この「インターネット無料」に対する入居者の要望に変化が表れています。
「インターネット無料」から「ブロードバンド対応」への変化
※「ブロードバンド接続」とは?
インターネット接続というのは、手段や速度などを一切問わず、コンピュータをインターネットにつなぐことを意味します。その中でも、ブロードバンド接続というのは、接続する対象や場所を一切問わず、広い帯域の通信方法で、コンピュータをネットワークに接続することを意味します。つまり、ブロードバンド接続というのはインターネット接続の中でも高速な接続方法と言う事になります。また、インターネット以外に接続していても高速ならばブロードバンド接続といいます。
ブロードバンドといえるのは通信速度として100Mbps以上が一般的な目安とされており、ADSLなどではその半分にも達しませんので本来ならばブロードバンドといえないのです。個人のインターネット接続方法は、通常各戸に光ケーブルに接続するためのジャックやWiFi発信機が設置されています。2009年までは「ブロードバンド対応」の設備が単身者向けの絶対条件の1位、ファミリー向けでも上位にランクインしていました。
しかし、2009年以降は単なる「ブロードバンド対応」ではなく、全戸加入方式で実現する「インターネット無料」がランキング上位に現れ、賃料アップを可能にする設備ランキングの単身者向けでは毎年1位になっていました。ですが、更にインターネットの利用頻度が高まり、動画サイト等の利用も増えた事で、利用者が通信速度などを気にしたり、メールアカウントの関係でプロバイダを個別に選択する事を求めてくるようになりました。
更に入居促進としてのサービスでは無く、「インターネット無料」を利用して賃料の値上げを行う家主も増えてきました。その為、インターネット接続のための月額費用を上回るほどの金額が、家賃に上乗せされている場合がある事に入居者も気付き、入居者は「インターネット無料」という言葉にそれ程メリットを感じなくなり、ランニングコストを考えた上で慎重に選択するようになりました。
その結果、2013年の調査では「絶対条件の設備」として「インターネット無料」はトップ10圏外のニーズとなりました。
そして「ブロードバンド対応」が再びトップ10圏内に戻る事になりました。もちろん「インターネット無料」が不要であると言う事ではありませんがパソコンだけでなくスマートフォンやタブレット等、インターネットを利用する機会はここ数年で格段に増えています。そして、利用できるというだけでなくそのスピードやサービス内容を求める時代になっています。実際に、入居者よりインターネットのスピードが遅すぎて、他のプロバイダを利用したいとのクレームが入る事も発生しています。
オーナーとして入居者に喜ばれる設備を設置する事は大切な事ですが、実際のニーズをしっかり把握した上で導入される事をお勧めします。