2016年1月20日

【消防設備点検】  実例から見る消防設備点検の必要性

スタッフコラム(中瀬)

この記事は 2分44秒 程で読んで頂けます。

今回は、消防設備点検を怠った事により起こった事故についてご紹介させて頂きます。

 

1年前の2015年1月20日に、神戸市長田区の築48年RC造賃貸マンションの一室で火災が発生し、3人の入居者が亡くなるといった事故が起こりました。
また、その事故後、火災のあったマンションの管理会社の代表者が、業務上過失致死の疑いで書類送検されました。
何故、マンションの一室で発生した火災で、3人もの入居者が亡くなったのか、また、何故マンション管理会社の代表者が責任を問われたのか、事故が起こった経緯を書かせて頂きます。
まず、マンションの一室で起こった火災は、出火元の居室内で消し止められていました。
しかしながら、火災の際本来作動するはずの火災報知器が作動せず、火災によって発生した煙が建物内に充満し、逃げ遅れた入居者が一酸化炭素中毒により、亡くなっていたのです。

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火災報知器が作動しなかったのは、火災の起こる数年前、入居者の一人によって、消防設備の電源が落されていた事が原因でした。
その入居者は、居室内で喫煙した際、度々警報が作動する機会があり、それを誤作動と考え、管理室内にある主電源を切ってしまったのです。

一般的に管理室は施錠されており、本来入居者が立ち入る事が出来ない部屋ですが、この入居者は、管理会社から建物内の共用設備で使用する消耗品の補充を依頼されており、管理室の鍵を所有していた為、入室する事が出来たのです。

 

しかし入居者は、主電源を落としたことを認識しておらず、管理会社も一連の経緯を全く把握していませんでした。

また通常であれば定期的に行われる、消防法で定められた設備点検の際に、
火災報知器の電源が落されている事が発覚するはずですが、このマンションにおいては、消防設備の導入以来点検が一度も行われていなかったのです。

 

この消防法で定められた定期点検を怠った責任を問われ、管理会社の代表者が書類送検されたのです。

・管理会社が入居者に管理室の鍵を渡し、管理室内の変化を把握していなかった事

・管理会社が法定点検の義務を怠り、それにより火災報知器が作動しなかった事

 

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これらが入居者が死亡するといった事故に繋がった要因であると考えられます。
管理会社が業務を怠らなければ、入居者が逃げ遅れる事も無かったのかもしれません。

 

オーナー様は、管理会社を信頼して、大切な物件をお預け頂いている事と思います。
私自身管理に携わる者として、オーナー様の信頼を裏切ることの無いよう、また単に『物件の管理』というだけでなく、万一の際、お住まいの入居者の方々の生命に対しても責任を負っているという事を肝に銘じ、オーナー様にも入居者様にも満足して頂ける管理を目指し、業務に取り組んで参ります。