2013年9月25日

「シェアハウスは、建築基準法上の寄宿舎に該当する」国土交通省の見解とは

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”シェアハウス”とは一つの家を複数の人と共有して暮らすことを言いますが、日本では「ゲストハウス」と呼ばれることもあります。
キッチンやリビング、シャワーなどは住人全員で共有し、部屋は一人ずつ個室を利用すると言うシステムです。

必要最低の家具や物件によっては、テレビ、冷蔵庫、エアコン、布団などが揃っているところもあり、電子レンジ、洗濯機なども共用部においてあるなどとても便利で効率的な「気軽な賃貸」というイメージです。

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しかし、従来のシェアハウスは『経済面での負担を減らすため』にシェアをするというのが目的であったに対し、最近では『人との繋がりや交流の場』という目的に変わってきており、共有部にライブラリーやフィットネスルーム、居室には水回りがついているような形態も増えてきています。

また、シェアハウスは投資効率の高い不動産事業として、個人、大手不動産、投資会社、投資家などが手掛け始めています。
手軽に安く住むことができるシェアハウスのニーズは高まりつつあります。

そのシェアハウスが最近「違法ハウス」「脱法ハウス」とマスメディアで紹介されています。

 

その原因は主に
・居住人数が貸床面積に比べて 異常に多い。
・居室が狭小で窓もない、天井高も低いなど居住環境が劣悪である。
・シェアハウス業者が管理組合への届出を偽るなどの傍若無人な行為が見られる。
などが原因となっています。

そんな中、国交省より「シェアハウスは、建築基準法上の寄宿舎に該当する。」との公式見解が出されました。

これは「シェアハウス」の従前の用途や改修の有無に関わらず、同様の扱いになります。

例えば、従前の用途が「住宅」であり、その後特段の改修を行わず「シェアハウス」として複数人を居住させる場合も「寄宿舎」となるということです。

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では「寄宿舎」とは、どの様なものでしょうか。
・世帯構成員でない数人が、共同生活を送る宿舎
・水回り施設が共同で、寝室のみ個別に与えられているもの
と定義されています。

「寄宿舎」では、プライバシーが確保された独立して区画された各部分「居室」に該当するものとして
・居室の採光(建築基準法第28条第一項)
・建築物の間仕切り壁(建築基準法施行令第114条第2項)
等の規定を満たすことが必要になります。

間仕切りについては
1.天井に達していない間仕切り
2.凹凸を設けて空間を上下に区画するもの
3.壁・床・天井により二段に区画された空間を設けるもの
等を含みます。

 

間仕切りのイメージ図はこちらを参照してください。

国土交通省「違法貸しルーム対策に関する通知について」

 

また、重要なポイントとして「寄宿舎」でも床面積が100㎡を超えるか否かで建築基準法の制限度合が変わってくることです。

100㎡を超えない建物については、建築基準法的な制限が少なくなります。例えば、空家となった一般戸建を改装して「シェアハウス」とした場合、「寄宿舎」として該当しません。

一方、100㎡を超える建物については、通常の住宅では求められない間仕切り壁の準耐火性の確保が必要になります。さらに、個室3部屋または100㎡ごとに耐火壁で区切る必要があります。
他に1フロアが200㎡を超え両側に個室がある場合、廊下幅を1.6m以上とする必要があり、それ以外の場合でも1.2m以上とする必要があります。

以上の規定に違反する「シェアハウス」には、特定行政庁より是正指導が行われることになりますので、ずさんな計画でシェアハウスに改築する事は避けるべきです。

ただし、「国及び地方公共団体に通報があったもの等について、特定行政庁が立入調査を行う」ことになっているため、通報があったもののみ調査が実施され、”違法なシェアハウス”が全廃されるまでには時間がかかりそうです。