2013年6月26日

【判例】  賃貸借契約更新時の連帯保証人の契約更新は必要か

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賃貸借契約の更新をする際に、更新の度にわざわざ連帯保証人の署名・押印をもらっていないというケースはよくあるのではないでしょうか。
このような状況で賃料の滞納が発生し、連帯保証人へ賃料を請求する必要が生じた場合、連帯保証人に「更新後の契約までは保証していない」と支払を拒絶されてしまう事例が発生している様です。

では、実際に連帯保証人の支払い義務について裁判で争うとどの様な判断となるのでしょうか。

 

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最高裁の判断は、署名・押印をしていない更新後の賃貸借契約においても、連帯保証人は責任を負うと判断しました。(最高裁 平成9年11月13日判決)

「期間の定めのある建物の賃貸借において、賃借人のために保証人が賃貸人と保証契約を締結した場合には、反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解すべきである。」

ただし保証人の責任は”反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り”とされています。

”特段の事情”とは
「賃借人が継続的に賃料の支払いを怠っているにもかかわらず、賃貸人が保証人にその旨を連絡するようなこともなく、いたずらに契約を更新させているなどの場合」とされています。

実際に”特段の事情”が認められた事例では、「長期的滞納が生じている賃借人及びその連帯保証人に対して適切な対応をせずに、漫然と自動更新条項に基づく更新がされたケースにおいて、一定期間経過後の連帯保証人への請求は信義則に反して許されない。」と判断しました。(大阪地裁 平成25年1月31日判決)

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要は、「1度契約した賃貸借契約が契約内容の大幅な変更等も無く更新されたのであれば、連帯保証人は原則として変わらずその責任を負うべきであるが、契約更新以前より継続的に賃料の未払いや滞納が発生しているにも関わらず、契約を更新しまたその旨を連帯保証人へも伝えていなかった場合などは、そのリスクは賃貸人側で負うべきで、連帯保証人には責任は及ばない。」という事ですね。

上記のように、保証人の責任の範囲についてはケースバイケースであることも多く、トラブル回避のためには契約更新の度に保証人の意思確認を行い、署名・押印をもらうことが重要でしょう。

また、賃料の滞納が長期化した場合には、連帯保証人に滞納の状況を伝える等、早めに対策を行うことも重要だと思います。